こんにちは、白みやです。
今日は子どもから大人まで長く使える初心者用万年筆、Pelikan(ペリカン)のPelikano junior(ペリカーノジュニア)を紹介します!
ドイツの高級筆記具ブランドPelikan(ペリカン)
Pelikan(ペリカン)といえばドイツの老舗の筆記具メーカーで、始まりは絵の具工場だったとのこと。
たくさんの万年筆モデルを販売し続け、現在も縦縞模様が特徴的なスーベレーンなどの高級モデルが人気です。
私もいつかはスーベレーンを一本は持ってみたいと思っています。
ペリカーノジュニアの他にも「ツイスト」というシリーズがあり、そちらも安価で初心者向けです。
ペリカーノジュニアとはどんな万年筆?
そんなペリカンから出ている「ペリカーノジュニア」は、ドイツの小学生が万年筆の入門として使うために開発されたモデルです。
子供向けということで、
- ニブはスチール製
- 線幅太め(海外製のM程度)。表記はA(初心者向け、という意味)
- 軸はプラスチックで軽い
- インクはカードリッジ専用(ではあるけどコンバーターを使う方法もある・後述)
というシンプルかつ実用的な造りになっています。
画像付きで細かく見ていきたいと思います。
初心者からベテランまで。愛用される5つの理由
子供用、初心者用、という名目ではありますが、大人やベテランでもファンが多いペリカーノジュニア。
私もファースト万年筆は何がいいだろうと相談した際、真っ先に名前が上がったのがパイロットのカクノとこのペリカーノジュニアでした。
一体その魅力はなんなのか、まとめてみました。
理由① カラーが明るくて使ってて楽しい
形がころっとしていて軸もやや太め、ボディの色使いもポップなカラー展開になってます。
私の持っているカラーはターコイズですが、他にもブルー、レッド、パープルなどがあります。(時期により新色が加わったり生産終了していたりします)
軸部分はスケルトンになっていて、カードリッジが透けて見えます。インク残量が把握しやすい窓も付いてます。
理由② 太字がサラサラ書けるフロー良好なスチールニブ
ニブのスチールには根元のほうによく見ると[A]という刻印がありますが、これはドイツ語で「初心者」という意味を表す単語の頭文字だそうです。
それ以外の模様などは特にないシンプルなニブです。
線幅は太めです。日本製万年筆のMよりは確実に太い。
おそらくこれも、子どもが字の練習でアルファベットを大きく書く時に、見やすい太さにするためかな?と思います。
理由③ 正しい持ち方が出来るラバーグリップ
この黄色の部分はラバー製で滑りにくく、三面にくぼみがついており、自然に正しいペンの持ち方になるように工夫してあります。
私もペンの持ち方が物心着いた時から間違っていたのですが、万年筆を使うようになってから改善されてきました。
ラミーもカクノもこのペリカーノジュニアも、正しい持ち方という部分に力を入れて造ってくれているので、ほんと感謝です。大人でも嬉しい。
ちなみにこれはキャップの画像です。Pelikanoという文字が浮き彫りになっていてかっこいい。
クリップなどは特に無いので転がりやすいのは注意です。
あと、非常に割れやすいです。アマゾンのレビューなどを見ていてもキャップの割れやすさを感じた人はかなり居るようでした。
この画像のキャップも、解りにくいですがニブの上あたりにちょっとヒビが入っています。いつの間に割れたのか記憶に無いです。特に落としたりもしていないのですが……。
理由④ 付属カードリッジのデザインがめちゃくちゃかわいい
ペリカーノジュニアは購入するとカードリッジが一本ついてきます。
これ、カラーはペリカンのロイヤルブルーなのですが、デザインが通常のものと違ってかわいいイラストが入っています。
私はペリカーノジュニアは2回購入経験があるのですが、どちらも違うデザインのイラストでした。
画像のものは怪獣っぽいイラストです。前回は宇宙人みたいなイラストだった気が……?
ちょっと記憶が曖昧ですが、青地にカラフルな色の絵という部分は共通しています。
拡大するとこんな感じ↓
ボディをつけた時、窓からイラストがのぞくのがまたかわいいです。
あえてちょうどよく窓からイラストが見える位置になるように、カードリッジの位置を微調整してます:笑
万年筆というとやはり高級筆記具としての格調やシックさ、クラシックさなども魅力なのですが、これくらいポップに徹したものも、また違った魅力がありとても好きです。
理由⑤ 試しやすいリーズナブルな価格
ここも重要なポイントです。
やはり万年筆はボールペンなどに比べると高価なものですので、買ってみて失敗した、とはなりたくないものです。
近年は安価で試しやすい万年筆がたくさん増えていますが、海外製のものだとまだ種類はそれほど多くないように感じます。同じドイツ製のラミーサファリでも4000円くらいはしますので、これを高価ととるか安価ととるかは微妙なラインかなと。
(個人的にはあの品質の万年筆としてなら安い!って思いますが、普通に考えてペン1本に4000円は安いとは思いません)
ペリカーノジュニアは購入手段にもよりますが、1本2000円以下です。
私が購入した時は1600円くらいでした。
これくらいであればお試しとしても手を出しやすいですし、それだけの分以上の性能はあると思ってます。
付属しているインクで書いてみた
いつも通りロディアに試し書きして色味などを見ていきます。
付属カードリッジはペリカン・ロイヤルブルーのGTP
ペリカンというか欧州のインクカードリッジには規格としてGTP(ロング)とTP(ショート)があります。
付属でついてくるものはGTPタイプになりますのでたっぷりめに入っています。
(ただニブ自体が太いので、量はあれど割とすぐに使い切ります)
ちなみにペリカーノジュニアはインクカードリッジを差し込んでからペン先にインクが降りてくるまでの時間がかなり長いです。
不良品か?って疑うくらい暫くインクが出てきませんが、根気強く待っていればいずれ出るようになるので焦らずに待ちましょう。
私の場合3~5分くらいはかかったし、インクが出てくるまで紙に丸とか波線とかめちゃくちゃ書きました(もちろんインクが出てないので実際には書けてない)。
ペリカンの青系インクは他にもブルーブラックがありますが、ペリカーノジュニアに付属してくるものはロイヤルブルーという明るめの青です。
ラミーサファリの時も付属インクはブルーだったので、ドイツ系はブルーが標準なんですかね?日本製だとだいたい黒ですよね。
拡大してみました。
青らしい青です。彩度が高く、黄味は感じません。白い紙に書くとコントラストが映えます。
乾きもまあまあ早いのですが、その乾いていく段階でスッと色がワントーン明るくなります。
ペリカーノのニブがちょっとカリグラフィっぽい筆致になるのか、ちょっと線幅にメリハリが付きます。
太めの線なので濃淡も解りやすいです。
ニブの太さは『A』
線の太さをカクノのMと比較してみました。どちらも定規を当てて直線を引きました。
カクノのインクは色彩雫の松露です。
ペリカーノの方が太めなのが解ります。現時点で、手持ち万年筆の中で一番太いです。
この線幅だと手帳や罫線細めのノートに緻密な字を書くには向きません。
行間の広い便箋に書く手紙とか、無地や方眼の用紙の広めのスペースにザクザク書く方が良いです。
海外製の万年筆はそもそも漢字を書く事を想定して作られていないので、画数の多い文字を細かく書くのであれば国産に軍配が上がります。
そのへんは個性という事で使い分けていきたいところです。
ペリカンロイヤルブルーの耐水性は?
いつもの耐水性実験をやってみました。
書いてインクが乾いた頃にスポイトで水を垂らします。
染料インクなのでどんどん溶けます。
(余談ですがペリカンのブルーブラックは古典インクですので、書いてから時間がある程度経過していればこれほどには溶けないんじゃないかと。持っていないのでいつか試してみたい)
しばらく放置して拭き取ってみました。
この通りかなりの勢いで流れてしまいます。実際手持ちインクの中でもかなり流れやすい方だと思いました。
万一でも水に濡れたら困るような重要なものには使わない方が良さそうです。
となると公式文書などにも向かないって事になりそう。使い所に注意です。
裏抜けはどうか?
ロディアの場合だと、裏抜けは全くありません。
透けて見える事も無いです。
ペリカーノジュニアをイラストに使った場合
イラストを書いてみました。一部擦れてしまい残念です。
イラストに使うのはかなりおすすめです!描きごたえがある線です。
線が太いので主線がはっきりして見やすいですし、存在感があります。細かい斜線部分は力加減やスピードの調整が必要ですが、太すぎて潰れるとまでは行かないです。(緻密な絵を小さく描く場合は難しいですが)
拡大してみるとこんなかんじで、割と線に濃淡が出ています。
私は線を引くスピードが早い方なので特に濃淡が付きやすいのかもしれない。逆に丁寧にゆっくり線を引く人の場合はもっと濃くてくっきりとした線になりそう。
フローの良い太ニブで単純なイラストを描くのはかなり楽しいです。
ペリカーノジュニアにコンバーターは使える?
できればカードリッジだけでなく、別メーカーのインクもコンバーターで使いまわしたいですよね。
ペリカンからはコンバーターも販売していますので、それをペリカーノジュニアに使えれば一番良いのですが、残念ながらペリカーノジュニアはカードリッジ専用万年筆としての造りになっています。
……とはいえ、他のペリカン製の万年筆もペリカーノジュニアも同じカードリッジが刺せるのだからコンバーターだって刺せるだろう、という理屈で無理やり使う事もできます。
どういう事かというと、ペリカーノジュニア側の個体差によって、コンバーターが適応するもの、しないものがあるようです。
つまり、運良く適用する個体に当たれば使えるということらしい。
試してみるには、まずペリカン製のコンバーターを購入します。だいたい700円ちょっとです。が、「もしかしたら使えないかもしれない」という覚悟で買うようにしてください。
(万一使えなくても欧州規格の万年筆には使えますので、他に手持ちの万年筆があれば無駄にはなりません。無印のとかに使えます)
私も手元にペリカンのコンバーターがあるので、試してみました。
しかし残念ながらうちのペリカーノジュニアには入れる事ができませんでした。きつくて刺さらない。
これがもし逆パターンで、「入るけどゆるすぎて固定されない」という場合は軸の中にノック式ボールペンの中に入っているバネなどを仕込んで固定するという方法があるのですが、入らないのではどうしようもない。
とりあえずうちのペリカーノジュニアには規格どおりペリカンのカードリッジを刺して使う事にします。
まとめ
こんなかんじでペリカーノジュニアとペリカンロイヤルブルーの紹介をしてみました。
ほんとペリカーノジュニアはデスクの上に乗っかっているだけでもなんとなく気分が明るくなるという利点もあるかわいいやつなので、ぜひ試してほしいです。
万年筆というと高級なイメージがありますが、こちらは逆にチープさやポップさを感じる外見が魅力だと思います。
ただ、注意点として、品質の個体差はあるようです。
先ほど私はペリカーノジュニアを2回購入したと書いたのですが、一回目は不良品に当たってしまい、書いていると頻繁に掠れやインク詰まりを起こすため、購入店で交換してもらったという経緯があります。
そのへんは運の問題であって、購入時に見極めるのは素人目には難しい……というか箱入りなので目視自体不可能なのですが、まあそういう場合もあるんだな、くらいに気に留めておいたらいいかなと思います。
大きな店舗だと試し書き用に置いてある場合もあるので、そこで一度触ってみるのもオススメです。
スルスル太字で書けるという万年筆の醍醐味が十分に味わえますよ!
コメント