こんにちは、白みやです。
今回はフランスの老舗ブランドHERBIN(エルバン)のインク、ヴィオレパンセを紹介します。
歴史と伝統のある、鮮やかな紫のインクです。
ヴィオレパンセの歴史
エルバンというブランドの歴史については以前アンティークブーケという色のインクを紹介した際に詳しく書きました。
アンティークブーケの記事はこちら↓

その際に「エルバンのインクはナポレオンの時代から1966年までフランス全土の小学校の指定インクとして使われていた」と書いたのですが、そのインクがこのヴィオレパンセになります。
フランスの小学生、こんなインクで勉強してたのか、と思うとなんかすごいです。おしゃれだなというか、格調が高いな……と感じます。
現在も定番カラーとして販売しており、ボトルの大と小の他、カードリッジタイプもあります。
私が持っているのもカードリッジになります。
ヴィオレパンセのカードリッジ
エルバンのトラディショナルインクのカードリッジタイプのものは、こんな感じの見た目をしています。
かわいい小柄なアルミケースに入っています。
インクの色それぞれに、名前に合ったイメージイラストがついていて、ヴィオレパンセはパンジーのような花の絵です。
ケースを開けてみるとこのように、立ててインクが入ってます。
6本入りで、500円前後で買えます。(画像は使用済みなので4本しか入ってません)
フタのデザインもかわいくて気に入っています。
アルミケースなので強い力が加わると歪んでしまうのでそこは注意です。
特にフタは柔らかい。
取り出してみるとこんな感じです。ちょっと弾丸っぽい? 短めです。
ラミーやペリカンのカードリッジよりは随分小ぶりです。
定規を当てて測ってみるとこのようなサイズ。4cm行かないくらいですね。
量も少なめなので、フローの良い太ニブでがんがん使っていくとすぐになくなります。
カードリッジは欧州共通規格サイズになります。エルバンからも万年筆やローラーボールなどが出てますが、規格さえ合っていれば他のメーカーのペンにも使えます。
ちなみに昨年エルバンから、ヴィオレパンセをイメージしたカラーの万年筆とローラーボールが発売しました。紫色のスケルトンボディで綺麗です。
一度店舗で見かけたのですがその時は購入しなかったので、今度みつけたら欲しいです。
お値段も一番高いものでも2000円しなかったと思う。
無印の万年筆に入れてみた
エルバンのカードリッジを使う時は私は無印のアルミ軸万年筆に入れています。
手軽に購入できる欧州規格の万年筆ってあんまり選択肢が無くて、高級品ではなく、安価でも品質の個体差が少ないものが欲しい……と思って探していたのですが、そんな時に見つけたのがこれでした。
評判がよかったので無印に立ち寄った際に購入しました。
実際にインクを差し込んでみるとこんな感じです。
もともと短いのでコンパクトですね。
実際に書いてみた
無印の万年筆でロディアに書いたものです。色調は補正してなるべく現物に近いようにしてみました。
紫としてはだいぶ彩度が高い印象です。
この色をメインで使用するには少々目にうるさいと感じるかも。私はギリギリ許容範囲です。
目を引く鮮やかな紫なので、黒やセピアやブルーブラックに飽きた時や、補足の色として使用すると良いかもしれません。
紙はクリーム色のものに書くと、またちょっと印象が変わって良いです。少し落ち着いて見えるし、アンティークな味わいになります。
試しに紫系統の色として、色彩雫の山葡萄と比較してみました。
山葡萄は赤紫色ですが、ヴィオレパンセはもっと青みが強く、彩度が高いです。時間経過で色が沈む事もあまり無いです。
耐水性の実験
耐水性を試してみます。
このインクは染料インクです。かなりサラサラとしていて粘度が低く、水っぽいテクスチャです。
エルバンのトラディショナルインクは全体的にそうです。
スポイトで水を垂らした直後の画像。既に滲みが始まっています。
別角度から撮ってみました。色が溶けて水滴に広がっていく様子が解ります。
2分後です。だいぶ滲みが広がりました。
水分を拭き取った後乾燥させた物がこちら。
だいぶ薄くはなりましたが、完全に流れることはなく、筆跡は割とくっきり見えています。
とはいえやはり色落ちはあるので、濡れたら困る物に使う時は注意してください。
伝統を感じる事のできるインク
歴史のあるインクなので、どんな色なのかぜひ試してみたい!と思って購入したヴィオレパンセ、この紫の鮮やかさにはちょっと感動します。
発色が良いので細いニブでもはっきり見えますし、カリグラフィで強弱つけて書いたらだいぶかっこよさそう。
個人的におすすめのインクなのでぜひ試してもらいたいです!
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