こんばんは、白みやです。
手持ちの万年筆の洗浄を4本一気にやることになったので、ついでにレポしてみたいと思います。
今回洗浄するのは、
- カクノに入れていたストーリアのナイト
- カクノに入れていたストーリアのダンサー
- ラミーサファリに入れていた色彩雫の月夜
- ラミーサファリに入れていた色彩雫の紺碧
の4本です。
ストーリア・ダンサーの記事はこちら↓

ラミーサファリの記事はこちら↓

それぞれ既にこのブログではレビューしたことのあるインクで、ダンサーはその際に洗浄の過程も一度紹介しているのですが、使い続けていくことで顔料インクの色素定着がどうなっていくのかを比較してみる事にしました。
また、ラミーサファリについても、しばらく使わないと他の万年筆に比べて内部でインクが固まりやすい(自分比)という事が解ってきたので、そのへんと一緒に紹介していきます。
まずはストーリアの洗浄から
ストーリア(顔料インク)を入れて使っているのはこちらの2本。パイロットのカクノです。
ストーリアの説明書きにはセーラー製の万年筆に入れてねって注意書きがあるのですが、そこは自己責任ということでスルーしました。
顔料インクなので、汚れは染料インクに比べて頑固です。
今回は48時間以上水(ぬるま湯)に漬け込んでみました。
水洗いしてからぬるま湯に浸けたところです。
首軸あたりにまだ色が残っているのが分かります。
別アングルから。
透明なプラスチックの部分よりも、グレーの内部に入った部品のほうにしっかり色が残ってます。
まる2日ほど浸けてみたのですが、これ以上変化が無さそうなので水揚げしました。
ピンクもブルーもかなり色が定着しています。
特にブルーの首軸とニブの境目あたりにはしっかり入り込んでいます。
水だけで落とすにはこれくらいまでが限界かもしれない。
ニブにもインクの付着があります。
残った色から、どっちに何色のインクが入っていたかすぐにわかります!ある意味区別しやすい。
ちなみに洗浄後のコンバーターはこのような状態になりました。
こちらも軸にはめ込む部分には色が残っているのですが、インクが吸い込まれる部分は思ったよりも綺麗に洗えていました!
色残りも万年筆本体に比べると少ないです。
以前レビューした時のストーリアのダンサーを入れていたカクノの画像はこちら。
この頃は今より少し綺麗ですが、既にピンク色に染まりつつありますね。
このように色自体は染まってしまうのですが、今のところ使用に問題は起きてません。
インクが詰まりやすいとか、かすれやすいとかは無し。
顔料インクなので汚れはもとより覚悟の上です。
ただ、一度セーラー社製の万年筆に使った時とも比較してみたいです。
まだ一度もセーラーの物は使ったことがありません。ハイエースあたりから試してみたい。
万一顔料インクを入れて詰まってしまい、使えなくなったら困る、という不安があったので安価で買い替えができるカクノを選びました。
カクノはカラーバリエーションも豊富なのでインクと合わせやすいところも便利です。
ラミーサファリの洗浄
続いてラミーサファリを洗います。
こちらには色彩雫を入れています。
色彩雫は染料インクなのでそんなに洗浄するのに苦労はない(はず)です。
ラミーサファリは詰まりやすい?
ところで、薄々感じていたのですが、ラミーサファリは「しばらく使わないでいた時に内部で煮詰まる」速度が早いような気がします。
(多分これラミーの時の記事でも言ったな……)
そんなに長期間使わずにいたわけではなく、せいぜい一週間かそれ以下なのですが、両方このように掠れてしまいます。
上が月夜、下が紺碧です。
この時点でのインク残量はこれくらい。
少ないですが、無いわけじゃない、という位ですね。
(画像は無いのですが、もっと多めに残っていたエーデルシュタインの時も詰まりました)
ペン先を水で軽く洗うとしばらくは書けるようになるのですが、1日もすれば元どおり掠れたり途切れたりします。
なので、ラミーサファリにインクが入っている時は、こまめに使うようにするのが一番ですね。
月夜の洗浄
まず月夜から行きます。
カッコイイグラスとかで洗えば絵になるのですが、残念ながらペットボトルの上部を切り取ったものです。
……そのうち大きめのグラス用意します。
ペン先を水に着けるとインクが滲み出て水の中に広がっていきます。
コンバーター式なのでこの状態のまま水を吸い上げ、排出し、を何度か繰り返していきます。
この過程がなんとも言えず綺麗なので、万年筆の洗浄は手間というよりは楽しいです。
インク使い切った!っていう達成感もありますし、次何を入れようか考えるのも楽しいので、好きな作業です。
月夜が水に溶けるとこんな色になります。
インクの色味を見分ける方法としても良いです。
水を吸い込んだコンバーターの画像です。
コップ内の水の色はこんなに濃くないのですが、吸い込んだ時はこれくらい濃くなります。
つまり、コンバーターや首軸内部に残ったインクがかなりあるようです。
水の色が透明になってくるまで繰り返し、その後本体からコンバーターを外し、コップに浸けます。
この時コンバーター内部が空だと浮いてしまうので、水を吸い込んだ状態で沈めておきます。
紺碧の洗浄
続きまして紺碧も行きます。
過程は同じです。
ペン先ごと水に入れ、何度か吸い込む→吐き出すを繰り返します。
じわじわ水の中にインクが広がります。
写真だとうまく撮れないのですが、最初にブワっと出てくる時のマーブル具合がとても綺麗です。
紺碧も鮮やかで綺麗ですね! 推しインクです。
水がかなりインクの色になりました。
コンバーターのどこにインクがこびりついてるのか
何度も洗って水に色がつかない状態まで来てからも、吸い上げてみるとコンバーター内に溜まる水はこのように色が濃くなります。
コンバーターの内部は、浸け置き洗いをしなくてもわりと綺麗になっています。
やや青っぽくなってはいますが、個人的にはそれほど気にならない程度です。
じゃあどこに汚れがあるのか?
観察してみると、この軸に刺さる部分の周囲に乾燥したインクがこびりついているようです。ティッシュにあててみると、円形のスタンプ状に煮詰まった感じの色がくっついてきます
水につけてみると、このように差込口付近からインクの色が滲み出て来るのが分かります。
時間を置いてみるとインクの沈殿がさらに良く分かります。
あとは万年筆側の首軸内部にインクが残っているのだと思います。
ラミーの場合、スケルトンだと目で見て内部の汚れが落ちているかわかりますが、色つきの物は解らないのがちょっと不便です。
このまま24時間は浸けておきます。
明日の今頃になったら取り出して、乾燥させようと思います。
ラミーサファリのコンバーター、ひねる部分が赤いところが気に入ってます。
スケルトン軸に入れるとこの赤い色が外からも見えるので、色の相性次第で印象が変わります。私はあえて赤と青という別系統の強めな色でポップな印象にするのが好きです。
まとめ
今回偶然にも4本同時に洗うタイミングが来たので詳しく手順を追ってみました!
ここまで書いておいてなんですが、実際これが効率の良い洗い方かどうかは不明です。多分顔料インクを綺麗にスッキリ落とす方法もあるんじゃないかと思うので、次回洗う時調べてみます。
(古典インクを洗う時には何かアイテムを使っていたような……こちらもそのうち詳しく調べたい)
私の場合、インクを入れ替えるたびに洗浄はちゃんとやるようにしています。そしてこの方法で問題なく使えています。
というか、決まったインクをずっと使っているわけじゃなく、気分で入れ替える事がほとんどなので、洗わないと使えないからという理由も大きいです。
自分の定番インクが決まっていて、毎回同じものを使うのなら補充のたびに洗わなくても大丈夫ですが、それでも2ヶ月に一度は洗った方が良いそうです。
ストーリアは同じペンに同じインクを毎回使ってますが、顔料インクという特徴上、やはりマメに洗うようにしています。
それにしてもストーリアは減りが早い。しょっちゅう洗ってる気がします。
使う頻度が高いのもですが、パイロットのコンバーター自体の容量も少ないと思います。もう少し一気に入るといいなあ。
コメント